食育食材辞典 オキナワモズク(沖縄もずく)

食育食材辞典 オキナワモズク(沖縄もずく)

食育食材辞典 オキナワモズク(沖縄もずく)
オキナワモズク(沖縄もずく) 英名:英名:Cladosiphon okamuranus

 オキナワモズクはシオミドロ目ナガマツモ科オキナワモズク属に属する褐藻の1種です。一般的には、「もずく、モズク」の名で知られ食用とされる海藻です。オキナワモズクは、柔らかく細長い胞子体と微小な盤状の配偶体の間で異型世代交代を行い、食用とされるのは胞子体です。
 生息は南西諸島に分布し、沖縄もずくの生産の大部分は、大規模に養殖されています。

オキナワモズク(沖縄もずく)

オキナワモズク(沖縄もずく)について知ってみよう

【オキナワモズク(沖縄もずく)の特徴】

 オキナワモズク(沖縄もずく)には、次の様な特徴があります。

  1. 形状: オキナワモズクは、細長い管状の茎を持ち、茎の表面には細かい突起があります。茎はしなやかで、全体的に黒緑色をしています。

  2. 成長: オキナワモズクは、外海水の疎通がよい内湾やサンゴ礁に囲まれた礁池内の低潮下線、水深0~8メートルに生息します。また、オキナワモズクは、海底の岩やサンゴ礁、海草や貝殻に付着して成長します。茎はしばしば集団を形成し、密生した群落を作ります。

  3. 栄養: オキナワモズクは光合成によってエネルギーを得る光合成生物です。特に、太陽の光がよく当たる浅い海域で繁茂します。またオキナワモズクは、ビタミン類を含んでいます。特に、ビタミンCやビタミンEなどの抗酸化物質が豊富に含まれています。これらのビタミン類は、細胞の健康維持や免疫機能の向上に役立ちます。さらに、オキナワモズクには、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどのミネラルが含まれています。これらのミネラルは、骨や歯の形成、神経伝達、筋肉の収縮など、様々な生体機能に重要な役割を果たします。

  4. 食用としての利用: オキナワモズクは、古くから沖縄で食されていて琉球王朝時代を含め、沖縄料理でよく使用されて来た食材です。オキナワモズクは、モズクとして知られサラダやスープ、酢の物、天婦羅などに使われます。特に、沖縄県では重要な伝統的な食材として存在します。

以上がオキナワモズク(沖縄もずく)の一般的な特徴です。オキナワモズク(沖縄もずく)は日本全国で身近な食材として幅広く食材として使われ食されています。

【オキナワモズク(沖縄もずく)の生態】

オキナワモズクの生態について様々なことがわかっています。

  1. 分布: オキナワモズクは、主に日本の沖縄県周辺の海域に自然分布しています。沖縄近海の温暖な海水環境が適しており、岩礁やサンゴ礁の近くの浅い海域に生息しています。

  2. 成長環境: オキナワモズクは、海底の岩やサンゴ礁に付着して生育します。特に、光が良く当たる浅い海域を好みます。また、栄養塩や栄養分が豊富な海水環境も成長に重要です。

  3. 群生: オキナワモズクはしばしば密集して群生を形成します。岩やサンゴの表面に茂り、多くの茎が集まって広がる姿が見られます。これにより、海底の生態系において独特な生態的役割を果たしています。

  4. 共生関係: オキナワモズクは、他の海洋生物との共生関係を持つこともあります。例えば、小魚や甲殻類などの海洋生物がオキナワモズクの茎や葉に保護や餌場として利用することがあります。

  5. 食物連鎖の一環: オキナワモズクは、海洋食物連鎖の一環として位置付けられます。モズクは、他の生物の餌となることで、海洋生態系のバランスを維持する役割を果たしています。

  6. 人間との関わり: オキナワモズクは、沖縄県や周辺地域の食文化において重要な食材として利用されています。モズク料理は、天婦羅、サラダやスープ、酢の物などの形で食べられ、栄養豊富な海産物として親しまれています。 

【オキナワモズク(沖縄もずく)の産地と旬】

 オキナワモズクは、日本の沖縄県周辺の海域が主な産地です。沖縄近海の温暖な海水環境が適しており、この地域で豊富に見られます。沖縄県内の一部地域や周辺の島々で漁獲されます。そして日本の養殖生産量の99.6%が沖縄県で生産されていて私達が食べるモズクの大部分がオキナワモズクとなります。

 旬に関しましては、4月~6月となります。
オキナワモズクの養殖の方法は、まず養殖用の網に遊走子を付着させ、これを中間育成した後に本養殖します。養殖場に設置して遊走子を自然に着生させたビニールシート(天然採苗)や、室内培養したフリー盤状体(微小な胞子体)(人工採苗)を、水槽内で養殖網とともに10日から14日間通気培養することによって、網に遊走子を付着させます(種付け)。種付けした網は、5-10枚を重ねて中間育成漁場(「苗床」とよばれる)の海底に設置し、胞子体が長さ1-5㎝になるまで50-60日間育苗します。この中間育成をすることにより、胞子体の初期生長(「芽だし」とよばれる)が格段に向上するのです。中間育成した網は本張り漁場に移動し、海底から40-50 cmの深さに1枚ずつ張り、約60日間養殖していきます(本養殖)。
 天然採苗は8-11月、種付けは11-2月、中間育成は12-3月、本養殖は1月から5月であり、4月から6月に収穫されます。

【オキナワモズクの目利き(選び方)と料理】

 オキナワモズクは、黒褐色から濃い緑色をしています。新鮮なものは鮮やかな色合いを持ち、茎や葉がしっかりとした質感を持っています。表面に黒い点や斑点があることもありますが、これは自然な特徴です。またオキナワモズクの茎は柔らかく、しなやかであることが重要です。新鮮なものは弾力があり、押すとすぐに元の形に戻ります。さらにオキナワモズクには特有の海藻の香りがあります。新鮮なものは香りが強く、海の風味を感じることができます。是非、参考にオキナワモズク(沖縄もずく)を買い料理してみて下さい。

 また、オキナワモズクは多様な料理で楽しむことができます。代表的な料理をいくつか紹介します。

  1. モズクサラダ: モズクサラダは、オキナワモズクを主成分とする一般的な料理です。オキナワモズクをゆでて冷やし、酢やしょうゆ、ごま油などの調味料で和えます。他の具材としては、きゅうりやトマト、海老などが使われることがあります。

  2. モズクスープ: モズクスープは、オキナワモズクを使った風味豊かなスープです。オキナワモズクをだし汁や魚介の出汁と一緒に煮込み、調味料で味付けします。具材としては、豆腐やワカメ、魚介類を加えることが一般的です。

  3. 和え物や煮物: オキナワモズクは和え物や煮物の具材としても利用されます。醤油やみりん、出汁などで煮たり、ごま油やポン酢で和えたりすることがあります。

 これらは一部の代表的なオキナワモズク料理の例ですが、実際にはさまざまな調理方法やレシピが存在します。
 個々の料理によって調味料や調理法が異なるため、自分の好みに合わせてアレンジすることもできます。また、地域や文化によってもオキナワモズク料理は異なる場合がありますので、その地域特有の料理も探してみると楽しいかもしれません。

料理研究家 本保圭一郎

【オキナワモズク(沖縄もずく)の抗がんに対する可能性】

 『アセチルフコイダン』
 
アセチルフコイダン(Acetyl Fucoidan)は、海藻に由来する特定のポリサッカライド(多糖類)であり、フコイダンのアセチル化誘導体です。フコイダン自体は、主に茶褐色藻類や褐藻類などの海藻に存在する多糖類で、抗酸化、抗炎症、免疫調節、抗ウイルス、抗がんなどの潜在的な生理活性を持つことが知られています。

 アセチルフコイダンは、フコイダンのアセチル基が導入された形態であり、フコイダンと比較してより薬理活性が強化される可能性があります。これは、アセチル基の導入によって化学的な特性が変化し、生体内での吸収や生物活性の増強が促されることが示唆されています。

 アセチルフコイダンに関する研究は、抗がん効果に注目したものもあります。いくつかのin vitro(試験管内)およびin vivo(生体内)の研究では、アセチルフコイダンががん細胞の増殖を抑制したり、アポトーシスを誘導したりする効果が示されています。さらに、アセチルフコイダンが免疫系の活性化を促進することで、がん細胞に対する免疫応答を増強する可能性も示唆されています。ただし、アセチルフコイダンに関する研究はまだ限定的であり、実際のがん治療や予防の方法としての有効性が確立されているわけではありません。さらなる研究が必要です。

 重要な点として、がん治療や予防のためには医師の指導のもとで確立された方法を選択することが重要です。アセチルフコイダンや他の自然由来の物質に関しては、科学的なエビデンスが不十分な場合がありますので、専門家への相談が必要です。
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 がんは依然として世界中で主な死因となっています。
 日本をはじめ世界各国で、最先端の研究が進められていてがん患者の苦しみを軽減し生存率を向上させる、毒性の低い抗がん剤を開発することは、抗がん分野の主要な焦点です。
 
この目的を達成するために、日々様々な研究がなされ少しずつ病気へのメカニズムの解明がなされています。
 もずくは、将来的に限りなく明るい可能性を持つ食材になるかもしれませんね。

◆2007年に国立開発研究法人 科学技術研究機構から発表された記事です。

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