海の食材辞典 ヒジキ(ひじき)

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海の食材辞典 ヒジキ(ひじき)について掲載、海の食材辞典では海産物を中心とした魚・海産物全般・海産物の発酵調味料など伝播の歴史・機能性についての情報の発信を行います。今回はヒジキ(ひじき)についての解説です。

海の食材辞典 ヒジキ(ひじき)

ヒジキ(ひじき) 英名: Sargassum fusiforme

 ヒジキは、ヒバマタ目ホンダワラ科ホンダワラ属に属する褐藻の1種になります。ヒジキは、成長すると長さ1メートル以上になる大型の海藻で、棍棒状の葉をつけるのが特徴です。ヒジキは、波の荒い海岸の岩礁域及び海と陸がつながる部分に繁茂し、春から初夏に生殖器を付けて成熟、夏になると大部分が消失します。また消失した時、繊維状の付着器が残ってそこから芽を出して再び生長します。
 日本を含む東アジア海岸域に分布し、日本では北海道南西部以南に分布する海藻で、古くから日本人にとって比較的身近な食材のひとつとなります。
 日本では古くから煮物などの食材とされ、総菜として極めて煮物、ご飯、卵焼きやサラダ等に幅広く、ふつうに使われています。ヒジキは、一般的に健康食・長寿食とされていることから、旧敬老の日にちなんで9月15日を「ひじきの日」としています。日本で流通している大部分にあたる95%程度ヒジキの多くは中国産や韓国産の養殖ですが、日本で収穫されるヒジキの多くは天然に生育した天然品です。5%程度しか流通していない日本で獲れたヒジキは、天然素材でとても貴重な食材となります。

ヒジキ(ひじき)について知ってみよう

【ヒジキ(ひじき)の特徴】

 ヒジキ(ひじき)には、次の様な特徴があります。

  1. 栄養価の高さ: ヒジキは、食物繊維やミネラル(特にカルシウム、マグネシウム、鉄)などの栄養素が豊富です。また、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンKなども含まれています。

  2. 健康への効果: ヒジキには、食物繊維が多く含まれています。食物繊維は腸内環境を整え、便通を促進する効果があります。また、ヒジキには抗酸化物質や抗炎症作用がある成分も含まれており、健康維持に役立つとされています。

  3. 調理のしやすさ: ヒジキは、釜炊きされた後乾燥され、乾燥した状態で販売されています。釜炊き後乾燥されている事で水で戻すだけでお料理等調理に使えるようになります。戻したヒジキは、煮物や炒め物、サラダなど、さまざまな料理に利用することができます。また、独特の風味があり、食材の味を引き立てる役割も果たします。

  4. 文化的な意味合い: ヒジキは日本料理において重要な役割を果たしています。伝統的なおせち料理や和食の一部として広く愛されており、日本の食文化に深く根付いています。

以上が、ヒジキの特徴の一部です。ヒジキは美味しさと栄養価の高さから、日本だけでなく世界中でも人気が広まりつつあります。

 
 
 

【ヒジキ(ひじき)の生態】

 ヒジキは、一般的には海中の岩や岩礁に付着して生育する海藻です。ヒジキの生態について詳しく説明します。

  1. 分類: ヒジキは、褐藻(かっそう)というグループに属しています。褐藻は茶色い色素を持ち、海中で生育する多くの海藻の中でも特に多様な種類が存在します。

  2. 生息地: ヒジキは日本を含む世界中の温帯や寒帯の海域に分布しています。岩礁や岩の表面に付着し、根状の構造で固定されます。特に日本では、日本海や太平洋沿岸などの海域でよく見られます。

  3. 成長: ヒジキは光合成によって生産される栄養素を利用して成長します。海中で浮遊している微小な藻類や有機物を摂取し、栄養を得ます。成長には適度な光量と栄養が必要であり、潮の流れや海水の温度などの環境条件も影響を与えます。

  4. 季節性: ヒジキの生育には季節性があります。一般的には秋から冬にかけて成長が促進され、春から夏にかけては減少します。特に冬季にはひじきが最も豊富に見られます。

  5. 生態系における役割: ヒジキは海洋生態系において重要な役割を果たしています。岩礁や岩の表面に付着することで、他の生物の生息場所やエサの提供源となります。また、ひじきが海中で光合成を行うことで酸素が生成され、水中の酸素濃度の調節にも寄与しています。

 ヒジキは、海中の生態系において様々な役割があり重要な存在です。また、海藻の多様性と持続可能な海洋環境の維持にも寄与しています。

 
 
 

【ヒジキ(ひじき)の産地と旬】

 国内産ヒジキのほとんどは天然品です。主な産地は千葉県、三重県、愛媛県、大分県、長崎県など全国各地で収穫されます。国内でのヒジキの収穫はふつう春期(3月から6月)であり、この時期を過ぎる花が咲きかたくなります。収穫は、干潮時に鎌で採取されることが多いです。ヒジキの採取地ではヒジキの繊維状根を傷つけないように採取され、また混生する他褐藻などの雑藻除去が行われます。

 生産現場では、冬期(12月から1月)の柔らかな「「寒ひじき(早どれひじき)」とよばれ、生炊き・乾燥して利用されています。その素朴な食味や食感から、浜辺での対面販売や漁協直販所などを通じて流通しています。

 近年では、磯焼けや藻食魚(アイゴ、イトイスズミなど)による摂食などによって、ヒジキの生育不良が広範囲で起こることがあり、天然産ヒジキの生産量は安定していません。ただし、旬の時期は地域や年によって異なる場合もあります。季節や海洋環境の変動によっても影響を受けるため、地域の漁業者や海産物市場の情報を参考にするとより正確な情報が得られます。

 
 
 

【ヒジキの目利き(選び方)と料理】

 よいヒジキ(乾燥ヒジキを含む)を選ぶには、いくつかのポイントがあります。
  新鮮なヒジキは、黒褐色から濃い緑色をしています。鮮度が低下すると、色が褪色したり茶色く変色したりすることがあります。より鮮やかで美しい色合いのものを選ぶことが望ましいです。また、ヒジキは特有の香りを持っています。新鮮なヒジキは、海の香りがあり、爽やかで風味豊かです。香りが強くて不快なものや、ほとんど香りがないものは避けるべきです。
  ヒジキは乾燥して販売されることが一般的です。適度な乾燥具合があるものを選ぶことが重要です。乾燥しすぎていると、ひじきの食感や風味が損なわれる可能性があります。
 生のヒジキや乾燥ヒジキは、しっかりと見た目や乾燥具合、香り等を確認して美味しいヒジキを選択して下さい。

 料理に関しても、ヒジキはさまざまな料理に活用されます。
 代表的なひじきの料理をいくつか紹介します。

  1. 煮物: ヒジキの煮物は、日本料理でよく見られる料理の一つです。ヒジキを戻し、煮汁と一緒に煮込むことで柔らかく煮上げます。砂糖やしょうゆなどで味付けし、ごま油やごまをトッピングして風味を加えることが一般的です。

  2. 和え物: ヒジキは和え物にもよく使われます。ヒジキを戻し、調味料や野菜と一緒に和えることで、彩り豊かなサラダや和え物が作れます。ごまドレッシングやポン酢などでさっぱりと仕上げるのがおすすめです。

  3. 炒め物: ヒジキを炒めることで香ばしさや食感を楽しむこともできます。ヒジキを戻し、ごま油や醤油で炒めるだけでシンプルな炒め物が完成します。他の野菜や具材と組み合わせても美味しく食べる事が出来ます。

  4. 炊込み:ヒジキは栄養価に含め、彩としても料理に使われます。卵焼き等に混ぜ込み彩として調理する方も多くいらっしゃいます。黄色に黒の模様で彩に食欲が向上致します。また、ご飯の炊き込みに混ぜて炊き込みご飯もおすすめです。

 
 

【アカモク(あかもく)がスーパーフードと言われる理由と将来への可能性】

 アカモクが栄養豊富なスーパーフードとされる理由は、その豊富な栄養価によります。アカモクが栄養豊富なスーパーフードとされる主な理由を下記に挙げてみました。

  1. ミネラル: アカモクにはカルシウム、マグネシウム、鉄、カリウムなどのミネラルが豊富に含まれています。特にカルシウムは骨や歯の形成に重要な役割を果たし、マグネシウムは神経や筋肉の正常な機能をサポートします。

  2. ビタミン: アカモクにはビタミンC、ビタミンK、ビタミンEなどの抗酸化作用のあるビタミンが含まれています。ビタミンCは免疫機能のサポートやコラーゲンの生成に関与し、ビタミンKは血液凝固や骨の健康に重要な役割を果たします。

  3. 食物繊維: アカモクは食物繊維が豊富に含まれており、腸内環境の改善や消化の促進に役立ちます。食物繊維はまた、血糖値の上昇を緩やかにし、食事の満足感を高める効果もあります。

  4. タンパク質: アカモクには必須アミノ酸を含む良質なタンパク質が豊富に含まれています。タンパク質は体の組織の構築や修復に重要な役割を果たし、健康な肌や髪の成長にも寄与します。

  5. 抗酸化物質: アカモクにはフコキサンチンという抗酸化物質が含まれており、細胞の酸化ストレスから身体を保護する効果があります。抗酸化物質は細胞のダメージを軽減し、炎症を抑制する働きもあります。花粉症やその他の病気にも効果かあるとも言われ研究が続けられています。

 これらの栄養素がバランスよく含まれているため、アカモクは栄養価が高く、健康への様々な効果をもたらすスーパーフードとされています。ただし、個々の栄養価や効果は食品の品種や成長条件によって異なる場合があることはご了承下さい。

 このようにアカモク(あかもく)は、将来的に限りなく明るい可能性を持つ食材になるかもしれませんね。

◆アカモクについて、静岡県水産技術研究所事業報告から発表された記事です。  https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8879703/

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