和食プロジェクトから、和食の基本の出汁(だし)をテーマに地域の水にあった、だしの取り方・まで、奥深い和食の食文化について解説してまいります。
出汁(だし)は、料理に使われている食材を、食材の風味を際立たせることを目的にします。それら食材の風味を引き出すことにより、より深く、食材どおしを相性を引き出し奥深いな味を作り出すことが可能になります。うま味調味料とも言われます。
日本食・和食の出汁の材料は、昆布を中心に、鰹節・干し椎茸・煮干しが中心になります。
一番出汁・・・・・昆布と鰹節
二番出汁・・・・・昆布と鰹節(一番だしを取ったあとさらに出汁をとる)
煮干し出汁・・・・昆布と煮干し
昆布出汁・・・・・昆布
精進出汁・・・・・昆布と干し椎茸
美味しいだしを取るには、素材はもちろん、そのうま味成分を抽出する基本となる水の硬度が重要となります。地域別の水の硬度と、出汁(だし)にご説明いたします。
一般には、こだわってる方は多くいらしゃいますが、水にこだわりが重要です。
それが、地域で違う、軟水と硬水の違いです。
日本では、軟水がほとんどで日本料理にはあってます。出汁・出し・だしは、軟水ではでますが、硬水では出ないのです。
また地域別にも、水の硬度は異なります、京都の井戸水はだしにあった硬度なので京料理にはかかせません。京料理の名店では、井戸水で出汁(だし)をとっています。
昆布は軟水の方が出汁(だし)が出やすく、関東は関西に比べると硬度が高いので、昆布ではなく鰹節文化が栄えたと言います。関東でも名店と言われるお店は、水まで関西からとりよせているそうです。
・軟水とは…カルシウムとマグネシウムの含有量が少ない。水(約100〜120mg/L以下)
・硬水とは…カルシウムとマグネシウムの含有量が多い。水 (約120mg/L以上)
ミネラル成分が多く含まれる硬水は、そのカルシウムの作用でタンパク質が固まり、うまみ成分(グルタミン酸やイノシン酸)が溶け出しにくくなります。
日本の水道水は軟水と言われていますが、地域によっても硬度は異なります。
・関東地方は軟水の中でも比較的硬度が高い(硬度:約60mg/L〜約80mg/L)
・関西地方は軟水の中でも低めの硬度 (硬度:約30mg/L〜約50mg/L)
関東では魚の出汁(だし)は風味が強いのでそれを和らげるために、風味の強い濃い口の醤油が多く使われるようになったとも言われています。味の文化の差にも水の硬度は関係しています。
【和食と食育】ニュース・お知らせです。和食プロジェクトが和食と食育の関係に関する多くの情報発信を行います。